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発泡スチロールのような愛 2

間違いだったと思ったから涙を流したのか、すんなりと夢が叶ってしまった呆気なさに涙を流したのか、それともただ嬉しくて涙を流したのか、ただ悲しくて涙を流したのか、一体何の涙なのかよくわからなかったけど泣き止むまでその親指をつかんでいた。私は親指をつかんでもらうと安心するから。それはきっと私がまだ子供の頃、怖い夢なんかをみてひとりで眠れなくなったときは両親の寝室に行って、そっと布団にはいって、そしたら親指をやさしくつかんで私が眠るまでそのままでいてくれたから。だから私もそういうときは親指をつかむ。

 

腕に飼われた海月の成長過程を見守る。愛しく思ってみたり、疎ましく思ってみたり、穏やかな気持ちになってみたり、悲しい気持ちになってみたり。たくさんの感情の波がいっぺんに押し寄せてきてそのまま飲み込まれそうな気持ちになる。でも水をこぼしてしまわないように、水をこぼしてしまわないようにと、器を水平に保って。

 

「今日も1日愛しています」
「はい、こちらも今日も1日愛しています」
という発泡スチロールのような愛。